銀河の風文庫

銀河系の未来圏から吹いてくる
颯爽たる風を心の襞に受け、
理想郷イーハトーヴを求めんと
熱い岩手愛で言葉を紡ぐ人たちのため、
いま、「銀河の風文庫」を創刊いたします。

2022年7月1日

3つの悩みをクリアして手軽に出版できる「銀河の風文庫」

「自分の著作物を本にしたい」と出版を志すとき、著者の悩みや不安は大きく3つあるようです。

一つ目は、自分の手元にある原稿から「どうしたら良い本をつくることができるか?」という制作全般にかかわる悩みです。
手持ちの原稿を推敲してプロの目で添削をしてもらいたい、より良い本づくりのための編集アイデアがほしい、装丁やカバーのデザインなど自分のイメージ通りにつくりたいが出版社に相談したら対応してもらえるのだろうかという悩みです。

そして二つ目は、「制作費を抑えてより安価に本をつくるにはどうすればよいか?」という制作費の悩みです。
特にも初めての出版の場合は、完成までの工程がイメージできないので、どの工程にどのようなコストがかかるのかイメージがつきません。そのためコストを抑える計画を立てることができないのは当然です。

三つ目は、本をつくった後「いかにして、目標とする読者に買ってもらえるのか?」という流通と販売の悩みです。
本を街の本屋さんやAmazonなどで売ってもらうのはわかるものの、どうしたら本屋さんやAmazonで売ることができるのかわからないのも当然です。本をつくってSNSで情報を拡散しても、本の買い方を明確にして情報拡散しなければ本を売ることができません。

この三つの悩みを少しでもクリアして手軽に出版できるのがイーハトーヴ書店の「銀河の風文庫」です。少し長い説明になりますが、「銀河の風文庫」がどのような経緯で生まれたのかをご説明します。

(1) どうしたら良い本をつくることができるか?

「良い本」の定義は難しいですが、簡単に言えば読者に有益な内容を、読者に伝わりやすい表現で、間違いのない内容で著されている」ことに加え、「読者の感性に訴える、美しいデザインの本」ということだと考えます。

本の制作工程は、①著者との打合せと編集方針の確立(出版の目的の明確化、読者層の絞り込み、販売範囲の決定など)→②編集方針に沿った編集作業(文体の統一や字句の修正など)→③編集方針に沿った装丁デザイン(カバーデザイン、本文組版デザイン、用紙の選定など)→④本文の組版作業と校正作業(通常4回から5回の校正)→⑤印刷・製本→⑥販売流通という流れになります。

いい本を作るために最も大事な作業は①〜④ですので、ここにいかに多くの時間を投入できるかがポイントです。「銀河の風文庫」はカバーや表紙などの装丁の標準型が決まっているため、著者と編集者は①と②と④の部分に集中することができます。そのため著者と編集者の打ち合わせを本の内容に集中させることができますますので、より良い内容の本づくりを実現することができまるのです。
ちなみに、「銀河の風文庫」の標準型のカバーや表紙デザインは岩手県でも書籍の装丁デザインで定評ある及川デザイン室の及川利春氏によるデザインです。(カバーや表紙、本文の組み体裁はこの標準型に沿って制作が進められますが、オリジナルデザインのカバーも可能です)

(2) 制作費を抑えてより安価に本をつくるにはどうすればよいか?

当社の基準で言えば、四六判(127mm×188mm)256 ページの単行本を千部から二千部位制作する場合、100万から150 万円前後の経費がかかります。
多くの場合半年から1年くらいの期間をかけて著者との打ち合わせを重ね、何度も原稿を推敲し校正を重ね、ブックデザイナーに装丁を依頼し、著者の夢の実現に向け手を携えて制作するので、ある程度の制作費がかかるのはやむを得ないといえます。

本づくりは家づくりに例えることができます。
「単行本」での出版は、外観や間取りなど、全ての要素を注文主の希望を聞いてゼロから設計し施工する「注文住宅」での家づくりに似ています。そのため注文主のイメージを形にするために多くの時間とコストがかけることになります。
一方「文庫本」での出版は、はじめから標準化された設計で建てる「規格住宅」のようなものです。カバーや表紙、本文の組み体裁などはすでにデザインされていますので安価な出版が可能になるのです。
さらに利点としては、デザインの標準型があることにより、デザイン面で著者と編集者とのトラブルも少なくなります。

(3) いかにして、目標とする読者に買ってもらえるのか?

本が読者の手元に届くためには、①誰がどのような内容の本をいつ出版したかという「書誌情報」をどのように発信するかという「情報発信」の課題と、②読者はその本をどのようにして購入出来るのかという「流通販売」の課題あります。

①「情報発信」の課題

情報発信で思い浮かぶのは本と相性の良い新聞や雑誌などのメディアですが、本を出版してもメディアに取り上げてもらえるのは一部の本です。
多くの場合は著者によるSNSでの情報拡散や、書店で陳列されている期間に偶然目にされるチャンスに頼る以外ありません。
メディアやSNSでの情報発信にも“旬”がありますので、堅実に考えれば、やはり書店の棚にいかに長い期間置いてもらえるかというのが大きなポイントになります。
その点文庫本はシリーズで出版されるため、書店に長い間置かれる可能性が有り、また新刊が出る都度本の最後に文庫シリーズの広告を載せるので、経費をかけずに情報発信出来る可能性が広がります。

なお、当社で出版またはISBNコードを発行するとその詳しい書誌情報はAmazonやhonto・楽天ブックなどの日本の主要な本の流通業者に自動的に配信されるようになっています。これは公的で基本的な書誌情報という形でネット上に掲載されますが、これに加えてメディアやSNSでの拡散が一番の肝になるので、著者の努力がポイントになります。

②「流通販売」の課題

出版された本の情報をメディアやSNSなどで知った人の多くは、まずスマホでその本のタイトルを打ち込んでGoogleで検索するか、Amazonで検索してみるでしょう。
例として【イーハトーヴ書店】で制作した『思い出泥棒』という本を検索すると、カバーの写真入りで「思い出泥棒 谷原悠(著)イー・ピックス」と出てきて、クリックすると版元ドットコムの「思い出泥棒」のページに飛んで、日本の主要なオンライン書店で購入出来るようになっています。
インターネットが苦手の人は最寄りの街の書店に行って「思い出泥棒」という本の取り寄せを頼むと、店員さんは専用のパソコンで検索して該当する本を探して取り寄せてくれます。この時に役に立っているのがISBNコードに紐付けされた書誌情報です。

これまで述べた「情報発信」と「流通」の流れは全国をイメージしたものですが、〝とりあえず岩手県内の書店とAmazonで売ることができればいい〟という著者も多くいます。
この場合、県内へは当社から専門の業者を通して主要書店に配本します。またAmazonは当社を通してAmazonに卸します。

このように「銀河の風文庫」での出版は少ないコストで、「情報発信」と「流通販売」の課題を少しでもクリアして販売出来る出版商品となっています。